【レポート】カチコミ6月佐々木企画「感覚を研ぎ澄ませ!〜舞台の上では敏感に〜」

どうも!
おなじみ、カチコミレポーターのモラルです。

今回お送りするのは、佐々木琢(あたらしい数字)による6月企画、「感覚を研ぎ澄ませ!〜舞台の上では敏感に〜」のレポートです。



何を隠そう、今回の企画担当の佐々木琢氏は僕と同い年であり、同じタイミングで劇場で働き始めた同期でもあります。

そんな彼が、満を持して行うワークショップ・・・これは目撃せねばならんと、息巻いて会場に潜入してまいりました。



まずは冒頭。佐々木君が持ち前の穏やかさをフルに発揮しながら、企画の趣旨を説明していきます。
佐々木君には、東京学芸大学で学んだ四年間と、座・高円寺の劇場創造アカデミー舞台演出コースで学んだ二年間の経験がベースとしてあり、それを自身の劇団「あたらしい数字」での創作の中で発展・取捨選択してきたものが、現在の彼のメソッドを作り上げています。
そのメニューの一部を今回は体験できるということで、この時点でもう、僕のワクワクはMAXです。



そしてこの日、アシスタントとして来てくださったのが、「あたらしい数字」劇団員、荒木秀智さん。佐々木君とは、座・高円寺の劇場創造アカデミーで共に学んだ仲間でもあります。
柔らかさの中に頼もしさがある、とても魅力的な俳優さんです。
余談ですが、僕と同郷の福岡県出身でして、ワークショップの開始前は、二人で地元トークに花を咲かせました。

今回のワークショップは、「身体」と「セリフ」、二つの方向性から演技にアプローチしていく構成となっており、身体パートを荒木さんが、セリフパートを佐々木君が担当するとのこと。
しかし共通して、「集中する」ということは「開く」ということであり、舞台上で起きるあらゆることにアンテナを張り巡らせて演技をしていこう、という目的を持っています。
(モラル解釈)


まずは、身体パートから。
ストレッチやスローモーションでのラジオ体操などで丁寧に身体をほぐした後、「ミラーリング」という、二人で向かい合って、片方がもう片方の動きを真似していくというメニューが行われました。


これ、「大まかな真似」をすることは簡単なんですけど、例えば、「右足の親指」だとか「腰の角度」だとか、細かいところまで考え出すと、ものすごい集中力、つまり「開く力」が必要になってくるんですね。

真似される方、つまり動く方も、次第に大胆な動きを見せるようになっていって、どんどん白熱していきました。
和やかな雰囲気の中で、同時に普段意識することのない「身体の在り方」というものについて、改めて考えを巡らせていきます。

さらにそこから、一人の掌の、左右それぞれに一定の距離を保って一人ずつ付いて、掌の動きに合わせてずっとその距離を保ち続けるメニューが行われたり。




三人で横一列になって、並んで前に歩きながらその動きを完璧に合わせるメニューが行われたり。


一言も言葉を発さなくとも、お互い意思疎通を図ろうとする、確かなコミュニケーションがそこにはありました。
やっている皆さんは勿論のこと、見ているだけでも充分面白い!


そして後半戦、ワークショップはセリフパートに突入です。
こちらは、何か脚本を使って行われるのか・・・と、思いきや!
まさかの、架空の言語を使ってやり取りをしていくというメニュー。


ノリで買った宝くじが高額当選していた、というシチュエーション(笑)
既存の言語が使えないので、表情や動きなどをフルに駆使しながら相手に意志を伝え、また相手の言っていることをくみ取っていきます。

これねえ、不思議と次第に、お互い日本語で話しているみたいに、何を話しているのかが分かるようになっていくんですよ。

そこから今度は、架空の言語のまま、三人でのやり取りに移行して、「一人がその場所から立ち去ったら、他の二人がその人の陰口を言いまくる」という設定に。


この写真は仲良く三人で話している時のものですが、この後一人がいなくなったら、ボロクソに陰口をたたきまくるわけです。
そう思うと、写真の和やかな笑顔も怖いですね(笑)

シチュエーションが複雑になったことで、意思疎通のハードルは上がりましたが、こちらもどんどん、誰が何を言おうとしているのかが鮮明になっていきます。
参加者の方々の、頭の回転の速さと共演者への思いやりの強さを、ビシバシと感じました。

そして、メニュー自体もとても面白いのですが、佐々木君の投げる「お題」が、それぞれとても面白い。演出家としての地力を感じました。



最後は、全員で輪になって、今日のワークショップを振り返り。
身体とセリフ、どちらのパートも脚本を使用せずに行われたのですが、「ストーリーの力」がなくとも、人が生きて、動いているということは、それだけで魅力的なのだなあと、表現の奥深さを感じました。

そしてやはり、今日に至るまでに、佐々木君や荒木さんが触れてきたものの大きさや、それを深めてきた時間を、強く感じました。

きっとまだまだ、隠し持っているメニューが沢山あるはず・・・二回目の開催を、強く要望しますよ、私は!!


そして来月の「カチコミ」は、何と当劇場の技術監督・黒太剛亮が衝撃参戦!
様々な方を対象とした、「はじめての照明プラン講座」を行います。
「高校生限定コース」と「18歳以上コース」、二つのコースをご用意してお待ちしておりますので、是非是非、ご体験ください!
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今後とも、カチコミ企画をよろしくお願いいたします!







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