【レポート】9月北川企画「定石と挑戦 ～コメディ脚本講座と子供向け演劇活用プログラム開発ワークショップ～」

どうも！
「カチコミ隊長」のモラルです。

さてさて。
担当者によって、様々な企画が月替わりで行われている「カチコミ」ですが。

先日は、花まる学習会王子小劇場の前芸術監督・北川大輔プロデュースによる「定石と挑戦 ～コメディ脚本講座と子供向け演劇活用プログラム開発ワークショップ～」が行われました。
全く異なる二つの企画を一日でやるという、これまた今までのカチコミにない、新しい企画でございました。

まずは午前中に開催された「挑戦」コースの、「子供向け演劇活用プログラム開発ワークショップ」。

ファシリテーターは、実際にご自身も、特別支援教育で教壇に立たれている俳優・影山美香さんです。

今回使用した教材は、児童文学の金字塔「ごんぎつね」。
教科書で読んだ、という記憶をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

まずは、「ごんぎつね」が現在、どういう目的を持って教材として扱われているか、どういう過程を経てそこに辿り着くよう設定されているか、といったことについて、影山さんからの説明が行われます。

なんというか…さすがプロ。

僕も北川さんも、実は影山さんとは以前から縁あって、色々と仲良くさせてもらっているのですが、完全に僕らの知らない影山さんが、そこには居ました。

そこから、改めて「ごんぎつね」を全文朗読したうえで、この作品にどう「演劇的な教育プログラム」という観点からアプローチしていけるかを探ります。

頭をフル回転させながら、様々なアイデアを出していく一同。
そして、出たアイデアが実現可能かどうかを、実際に動いて、試していきます。

具体的には一体、何が行われたのか？
言いたいのは、やまやまなんですけれども…。
この企画、まさかの続編が行われることになりまして。

かなり実のある議論と実践が行われたため、これはもう、ここで終わらせるんじゃなくて、もう一度やって、パッケージングされたプログラムにまで昇華しようじゃないか、という話になったのですね。

ということで、その詳細はまだヒ・ミ・ツ！

まあ、それだけだと味気ないので、ひとつだけ言っておくと、僕はガッツリ北川さんとエチュードしました。

それも、小学生になりきって。

いかんせん、僕と北川さんは、この劇場のエチュード大好きツートップなものでして。

もう、やっていくうちに盛り上がること盛り上がること。
それを優しく見守りながら、時に鋭い指摘をくれる影山さんは、さながら聖母のようでありました。
本当に、充実した時間でした。



そして午後からは「定石」コースの、「コメディ脚本講座」。
こちらは、これまで吉本新喜劇の脚本を一番書いた脚本家・徳田博丸さんが講師です。

徳田さんが普段、どういった点を気にしながら脚本を書いているか。
具体的に、どのようにすればコメディが書けるようになるか。

徳田さん自身、非常にお話が上手で、それはそれはもう、とてもロジカルかつ明解に、ひとつひとつ解説されています。

徳田さんが作ってくれた資料をベースに話が進められていくのですが、これも非常に分かりやすい。僕も一部貰って、現在家で大事に保管しております（笑）

徳田さんが何よりも言っていたのは、「破綻のない筋を作る」ということ。
当たり前だと思われるかもしれないのですが、特にコメディの場合、書き手がギャグにばかり気を取られて話の筋がメチャクチャ、ということが往々にして起きます。

面白くするのは、いくらでも俳優さんが面白くしてくれる。
だから、とにかく脚本家の仕事は何より、その俳優さん、そしてお客さんが身を委ねられる、「成立している話」を書くこと。
そうすれば、作品としてのゴールが見えてくると、徳田さんは語ります。

座額だけでなく、なんとまさかの、身体を動かしてのワークも行われました。

とにかく合いの手を入れていくことで、普通の話を面白くしていきます。
午前のコマで講師だった影山さんも、こちらは参加者として奮闘。

そして、様々なメニューを経たうえで、その場で決められたお題をもとに、参加者それぞれ、物語を作っていきます。

まずは、５つのパートに分けて物語を作る。それを発表したのちに、さらに細かく物語を作る。さらにそれを細かくして…と、超実践的な形式。

何よりも、講師の徳田さんが、ひとりひとりのアイデアに対して、丁寧に意見をくれるのです。こんなに贅沢なことは、そうそうありません！！！

こうしてあっという間に時間は過ぎ、「コメディ講座」も終了。



まさに「定石と挑戦」の名に相応しい、どちらも非常に刺激的で、表現の持つ可能性を改めて考えさせられる二つの企画となりました。

影山さん、徳田さん、そしてご参加いただいた皆様、ありがとうございました！！！